地上局に円偏波アンテナは必要か!!(実測中!) ((継続中)) 2018/7/20 2018/10/22
(2018/07/24,当面の間,断りなく随時変更します)
★このサイトのまとめとして,「地上局における円偏波アンテナの有効性について」(2019 JAMSATシンポジウムの講演資料)を見てください。
最近のアマチュア衛星に搭載されているアンテナは,直線偏波のダイポールやモノポール(ホイップ)が多くなっているようです。
この様な衛星にアップ/ダウンする地上局のアンテナは円偏波アンテナが良いと書いてきました。(JAMSAT News letter 278号等)
しかし,実際に電波の信号強度等がどの様に変化しているのか,Sメーターは大きく変化しても耳で感じた状態ではあまり認識できません。
そこで,直線偏波アンテナと円偏波アンテナで同時に同じ衛星の電波を受信し信号強度を記録して,その変化から衛星の姿勢やスピンの状況が推測できないか考えたいと思います。
435MHz帯,145MHz帯の主に衛星のビーコンを受信してSメーターDC出力をデーターロガー(ボルテージ・レコーダー)で記録します。
下記の内容は,測定しながら書いています。従って結果の変化により内容も変えて記述します。随時変更します。
いろいろな衛星の電波を多数受信して得られた結果を独断的に考察して,とりあえず結論としています。従って間違いも有ると思いますので,ご指摘頂けると大変有難く思っています。
・受信系統図 (2系統の同軸ケーブルロスは多少違う。アンテナは測定条件により変更する場合がある。下図と写真は異なります)
・対象衛星ビーコン(一部データ信号含む) ( )内は受信モード
435MHz帯:FO-29(USB),KKS-1(USB),LO-19(USB),Falconsat-3(FM)
145MHz帯:AO-91(FM),AO-92(FM),AO-73(USB).EO-88(USB),CAS-4A,B(USB),XW-2A,B,C,D,F(各USBorFM),その他
・受信記録方法
受信するビーコン(またはPSKデータ等)の周波数(1波)を,2本のアンテナ及びCALSAT32/方位ローテータ/仰角ローテータで追尾し,2台のパソコンでドップラー制御を行う。
電波の信号強度の記録は,AOS~MEL~LOSを2台の受信機のSメーター(DC 0~5V, dBμV 相当)出力を2チャンネル,データーロガー(ボルテージ レコーダー,VR-71)で記録した。サンプリング間隔は1秒又0.5秒で行う。(下図のようなグラフで表示できる。エクセルにして加工できる)
いろいろな衛星の電波を多数受信して得られた結果を独断的に考察した。 (2018/11/24,,随時変更しています)
・アンテナの偏波について
1. 地上局の円偏波アンテナは直線偏波アンテナより有効である。しかし完全ではない。
2. 衛星の直線偏波アンテナの取付方法とスピン方法を最適化すれば,地上局の円偏波アンテナで,ほぼ100%安定した受信ができる。
ただし衛星の姿勢制御が必要 (XW-2? )
3. 衛星が直線偏波アンテナで地上局が直線偏波アンテナの場合は,衛星のスピンによって周期的(20秒~5分)に生じるQSBは20~30dB以上になる。
4. 衛星が直線偏波アンテナで地上局が円偏波アンテナの場合は,3dBの損失は有るが,AOS-MEL-LOS間の50%以上は安定した受信が可能である。
5. 衛星が円偏波アンテナで地上局が直線偏波アンテナの場合は,3dBの損失は有るが,AOS-MEL-LOS間の50%以上は安定した受信が可能である。
7. 衛星が円偏波アンテナで地上局も円偏波アンテナの場合は,円偏波の回転方向は天頂(90°)を過ぎて120°を過ぎたあたりから少しずつ変わり,150°
当たりから急激に円偏波の回転方向が変わる模様。ただし衛星の体積や搭載磁気によって変わってくるらしい。
8. 地上局のアンテナが垂直偏波,円偏波に関わらず不安定な受信しかできない衛星がある。(10~20秒間隔で激しいQSBを伴っている)
9. 地上局のアンテナが垂直偏波,円偏波に関わらずほぼ安定した受信ができる衛星がある。(姿勢制御してる。継続検証が必要)
10. 衛星の直線偏波アンテナの取付方法とスピン方法を最適化し,地上局が直線偏波アンテナでも,アンテナコントロール方法を改善すれば,
ほぼ100%安定した受信ができる可能性がある。(非反転受信.AO-85? .受信継続中)
11. ハイゲインのアンテナシステムで受信機のAGCを利かせてレベル変動を吸収しても、これらの問題を100%解決することは難しい。
・CALSAT32によるコントロールについて
1. 天頂付近(主にMEL70°以上)を通過する衛星では,方位ローテータが30~70°の回転遅れが生ずる場合がある。(ローテーターの性能による)
2. 従って,アンテナの半角値が40°以上有る場合は問題ないが,20°以下ではポインティングロスにより大きく落ち込む場合がある。
注)10eleシングルが半角値40°(±20°)程度。15ele✖2スタックが半角値20°(±10°)程度。
ローテータの回転スピードはメーカー型番により大きく違う。
3. 天頂付近を通過する衛星では,MEL70°以上で方位ローテータが160~180°反転(回転)し,その間に偏波面も0°~90°~180°と変化する。
4. 従って,偏波面の変化により90°の時に30dB以上落ち込む場合がある。落ち込まない場合もある。(要検証)
5. これを解消するためには,ノーマルモードとフリップモードを天頂付近で切り換えると反転させないことが出来る。(非反転モード)
現在のON-OFF制御方式を見直す必要がある。
・データ編
☆データ18.CO-55の信号強度からスピン(角速度)の変化 2019/6/19
CO-55の信号強度からスピン(角速度)を推定しました。
2019/5/22 約46deg/s
2019/6/5 約27deg/s
2019/6/16 約8deg/s
2019/6/19 約1deg/s
☆データ17. NEXUS関連データ(グラフは信号強度)を掲載します。 2019/6/2
☆データ16. NEXUS関連データ(グラフは信号強度)を掲載します。
←青線:ミッション系送受信用アンテナ(435.900MHz)の信号強度
茶線:テレメトリ系送受信用アンテナ(437.075MHz)の信号強度
青線,茶線共にほぼ同期して上下に変動しています。Z軸周りにスピンしているなら青線の変動は少ないはず。
2019/02/07 ↓↓
2019/02/07 ↑↑
6 NEXUS 2019/02/07/2113/MEl36°,Az265°,CH1 14eleX(円右), CH2 14eleV(垂直),北上,12s/t,30deg/s, Rev311
5 NEXUS 2019 02 06 0926M81A66 CH1 14eX CH2 14eV南下非反転
Rev289
約12.8deg/s, or 25.6deg/s (Up/Dn周期から計算した)
LOS前(グラフ右側)の過信号はローカル違法局のFM混信
4 NEXUS 2019 02 03 2103M50A255 CH1 14eX CH2 14eV北上CWtoSSTV Rev250
約12deg/s, or 24deg/s (Up/Dn周期から計算した)
3 NEXUS 2019 01 26 2042M76A34 ch1 14eX CH2 14eV北上Rev128
約8.4deg/s, or 13.5deg/s (Up/Dn周期から計算した)
2 NEXUS 2019 01 22 2032M55A67 CH1 14eX CH2 14eV北上Rev82
約2.5deg/s (Up/Dn周期から計算した)
1 NEXUS 2019 01 19 0926MEl78°Az58° CH1 14eX CH2 14eV南下LOS前PKT Rev14
約2deg/s (Up/Dn周期から計算した)
☆データ15. 1974年に打ち上げたAO-7のBモード(145.9705MHz/USB)ビーコンを受信しました。
AO-7B 2019/01/13/1350,MEl63°,Az74°,CH1:6eX,CH2:7eV,北上
しばらく聞こえていなかったビーコンらしい無変調キャリアが弱いながらも連続して聞こえていました。
AOS→EL10°(南東)からMEL63°→LOS前のEL0.3°(北)まで±3kHzのドップラーを伴って聞こえていましたのでAO-7Bビーコンに間違いないと思います。
☆データ14. ステレオ受信?は有効か! (偏波ダイバシティ?) 2018/10/22
衛星の電波を円偏波アンテナで受信するとスピンによる変動が低減することが分かった。
しかし直線偏波アンテナに比べて変換ロスにより3dB低下する。
変換ロスを無くしスピンによる変動も低減することが出来ないか!
垂直偏波八木アンテナと水平偏波アンテナを,それぞれ別の受信機で受信しその音声をステレオヘッドホンのL,R,で聴くと頭の中で合成されて変換ロスを無くしスピンによる変動も低減することが出来るのではないか?!
AO-92(FM)で,やってみた!
下のグラフ。 気持ちの上では3dB以上改善したかも?!
う~ん。少し慣れると良いかも!左右で補っています。レベルが落ちた方がノイズが大きくなるので対策が必要!
2連ボリューム(オーディオアッテネータ)を正(L)逆(R)接続して廻すと良いかも!(LR相互AGC??)
2018/10/25
⇐AO-92 2018/10/25/0938,MEl64°,Az118°,
CH1:10エレメント水平偏波, CH2:7エレメント垂直偏波,南下オービット
ステレオ受信の結果
1.慣れると左右の音声を意識的に聞くのでそれなりの効果が有り,円偏波
と同等か以上かも。
2.スケルチを掛けで聴くと,聞こえていない方がスケルチ解除で突然聞こ
えるので意識が瞬時について行かない。
3.スケルチがOFF/ONでは無くて,アナログ的に音量可変なら良いか。
4.垂直偏波単独より2倍(3dB?)以上 良いかも。
L=2,R=5の時は良い方(R=5)を意識してAF信号ではL=2は無視されてR=5でメリット5になる。
円偏波はRF信号が平均化されてAF信号ではメリットM3.5となってしまうのでは?
さらに検討する価値はありそう! 2018/11/17
1.円偏波アンテナの直線偏波受信変換効率50%(3dBロス)は2本の双方向(入出)アンテナがパラになっているためもあるのか?
2.それならプリアンプを通った後でパラ接続すると戻りはなくなるが? しかし位相が90°違うままなのでその合成で減衰する? 片側が100%反射でどうなる? と言うよりはプリアンプの出力側で戻ったものが消費される?(プリアンプ側はIN/OUT共に50Ωマッチングしている!) オーディオ信号で合成すれば問題ない?(音声,FSKならOKか?,PSKはNGか!) 今後の検討課題!
2018/12/17
2本の八木アンテナを水平偏波と垂直偏波にして,2台の受信機にステレオヘッドホンのRとLを繋いで聞いて偏波ダイバシティの効果を確認しています。
左の写真の右側のステレオヘッドホンのグランドはR,L共通になっています。この状態でRとLに分けて聞いていましたが,受信機の片側のボリュームを0にしても反対側の音が漏れてかなり聞こえてきます。(R,Lの差10~15dBぐらいか?)もちろん2台の受信機のグランドは確りと接続されています。
しかし回り込みで聞こえるようです。
左の写真の左側のステレオヘッドホンのグランドはR,Lが別々に出ています。これをそのまま2本のモノプラグに繋いで2台の受信機に繋いで聞いたら回り込みが無くなりR,Lのセパレーションは完全に良くなり反対側の音は0となりました。
☆データ13. AO-73に異常発生か! (BPSK) 一部時間修正 2018/10/17
↓AO-73 201809130703A64A93CH1 10eV CH2 6eXR南下 ↓2分間に10ピークなので,24秒で1回転か?
下記は周波数ズレでレベルが小さくなった。 (アンテナがダイポール又はモノポールなら,2ピークで1回転?)
↓AO-73 201810161825M85A352CH1 10eH CH2 7eV北上非反転 データ記録の時間設定を間違えた!↓
↓AO-73 201810171844M53A250CH1 10eH CH2 7eV北上
↓AO-73 201810180634M31A98CH1 10eH CH2 7eV南下
↓AO-73 201810200710M81A203CH1 10eH CH2 7eV南下非反転
上記のグラフをエクセルで表示した
縦軸:DC(V)
横軸:経過時間 h:m:s
なお地上アンテナは非反転ながら天頂付近で落ち込みが有る?
理由不明
↓AO-73 2018/10/21/1821,M81,A83,CH1 10eH, CH2 7eV,北上,100sec
↓AO-73 2018/10/25/0706,MEl84°,Az98°,CH1 10eH, CH2 7eV,南下,反転
波形が崩れて回転が特定できない。
中心付近(07:13)付近の鋭い落ち込みは,地上局のアンテナの反転(赤,緑)によるもの。
従って10ele水平偏波(H)(赤線)は07:10~
07:15付近で1/2周になり,1回転の時間は約
600秒となる。回転数は確定できない。
回転軸が回転によって変化している可能性も有る。
⇐
AO-73のスピン1回転の時間変化(sec)
AO-73 2018/10/31/0720,MEl64°
AO-73 2018/11/09/0653,MEl62°,Az89°
CH1 6eX, CH2 7eV, 南下
注)スピンの状態は,円偏波アンテナ(緑線)では見えてこないが,垂直偏波アンテナ(赤線)では明確になる。
AO-73
2018/11/10/0711,MEl79°,Az288°
CH1 6eX, CH2 7eV,南下,非反転
反転と非反転の違いは感じられない。
2018/6/28ごろと変わりないパターンとなった。(一番上に記載)
AO-73
2018/11/17/1836,MEl57,Az253,
CH1 6eX, CH2 7eV,北上,反転,65sec
スピンがやや早くなった模様
AO-73
2018/11/25/0658,MEl76°,Az74°,
CH1 6eX, CH2 7eV,南下,非反転,49sec
また,早くなってきようです!
これは全日照なので,バッテリーの充電ケーブルに発生する磁気による力とも言われているようです。(+-線を打ち消すようにしていないのかな?)
AO-73
2018/12/21/1747,MEl43°,Az77°,
CH1 6eX, CH2 7eV,北上,反転,16.0sec
縦軸目盛りはCH1とCH2を少し上下にずらしています。
朝より少し遅くなっているようです。
考察:日を追うごとにスピンが早くなり電波(BPSK)が正常に出ているのか? 10月中から遅くなってきた。
アンテナがダイポール又はモノポールなら,2ピークで1回転として計算した。
2018/06/28のデータでは79秒に1回転。
----- (マイクさんのデータ: 2018/7/20, 69秒、2018/8/15:43秒)
2018/09/13のデータでは22秒で1回転。(マイクさんのデータ:2018/9/14 ,23秒、2018/10/3:16秒)
----- (マイクさんのデータ:2018/10/4 ,16秒、以降はデーター停止中) ----- ----
2018/10/16のデータでは44秒に1回転。10月5日~15日間で遅くなったか?(この間のデータなし)
2018/10/17のデータでは60秒に1回転。(マイクさんのデーター:2018/10/17, 705秒)
2018/10/18のデータでは87秒に1回転。 (マイクさんのデーター:2018/10/18, 1080秒)
2018/10/20のデータでは93秒に1回転。(86~100秒の平均値) トラポンは動作しているようです。回転方向も変わったか?。
2018/10/21のデータでは100秒に1回転。(回転方向が定まらず?)
2018/10/22のデータでは120秒に1回転。(マイクさんのデーター:2018/10/22, 585秒)
2018/10/25のデータでは不定。600秒に1回転?? (マイクさんのデーター:2018/10/25, 302秒)
2018/10/31のデータでは131秒に1回転。
2018/11/1のデータでは120秒に1回転。(マイクさんのデーター:2018/11/1, 152.8秒)
2018/11/4のデータでは171秒に1回転。
2018/11/9のデータでは169秒に1回転。(マイクさんのデーター:2018/11/9, 111.6秒)
2018/11/10のデータでは133秒に1回転。
2018/11/15のデータでは93秒に1回転。(マイクさんのデーター:2018/11/15, 77.6秒)
2018/11/17のデータでは65秒に1回転。
2018/11/20のデータでは65秒に1回転。
2018/11/25のデータでは49秒に1回転。(マイクさんのデーター:2018/11/25, 43.6秒)
2018/11/27のデータでは40秒に1回転。
2018/11/30のデータでは30秒に1回転。(マイクさんのデーター:2018/11/29, 34.5秒)
2018/12/1 のデータでは30秒に1回転。
2018/12/2 のデータでは27.4秒に1回転。
2018/12/5 のデータでは24秒に1回転。
2018/12/6 のデータでは23.4秒に1回転。
2018/12/7 のデータでは21.3秒に1回転。
2018/12/9 のデータでは20.4秒に1回転。
2018/12/11 のデータでは20.3秒に1回転。
2018/12/13/1833 のデータでは17.0秒に1回転。
2018/12/15/0641 のデータでは16.7秒に1回転。
2018/12/16/0659 のデータでは16.4秒に1回転。
2018/12/17/0718 のデータでは16.2秒に1回転。
2018/12/18/0736 のデータでは15.3秒に1回転。
2018/12/20/0637 のデータでは14.9秒に1回転。
2018/12/21/0655 のデータでは15.6秒に1回転。
2018/12/21/1747 のデータでは16.0秒に1回転。
2018/12/22/0713 のデータでは16.9秒に1回転。
2018/12/22/1805:16.9秒。2018/12/24/1842:21.2秒。2018/12/25/1725:25.9秒。2018/12/27/0709 :25.9秒。
2018/12/29/0746:33.5秒。2018/12/31/0646:32.9秒。2019/1/2/0723 :44.8秒。2019/1/4/0624 :49.0秒。
2019/1/5~2019/1/6 回転数では特定できない。2019/1/9/0619:128sec。2019/1/11/0656:113sec。2019/01/13/1824:80sec。
2019/1/16/0651:77.4sec。2019/1/22/0705:56.5sec。2019/1/24/0742:40.0sec。2019/1/26/0642:36.9sec。
2019/1/27/0701:37.8sec。2019/1/29/0602:30.9sec。2019/2/1/0656:25.5sec。 2019/2/6/0651:18.8sec。2019/2/12/0705:17.6sec
2019/2/20/1713:48.0sec。2019/2/27/0651:240sec。 2019/2/28/1802:86.4sec。2019/3/1/0728:197sec。 2019/3/2/0610:100sec。
この現象は,衛星が全日照(2018/9/8~2019/4/末)になっているためと云われている。
☆データ 12.
AO-85(145MHz,FM) 2018/09/01,0837,MEl61°,Az52°,CH1(赤):10eleV(垂直偏波),CH2(緑):6eleX(右旋円偏波),南下オービット 2018/10/8
グラフ説明:
CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ,CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ共に滑からに受信出来ている。南方向のデータが不足している。
考察:
AO-85に搭載されているアンテナは,やり投げ状態で飛翔していると考えると伏角からやや遅れて伏角方向に向いていると考えられる。
この状態を地上局の垂直偏波アンテナで受信すると仰角60°なので垂直成分が多く強く受信している。(地上局のアンテナは天頂付近で反転する)
仰角60°なので垂直成分があるが,天頂では衛星のアンテナと地上局のアンテナは90°になり受信は大きく落ち込む。
なお天頂から南方向では衛星アンテナが水平になって行き受信は弱くなっていると思われる。
従って、地上局のアンテナは垂直偏波で有っても円偏波アンテナと変わりない性能が発揮できると思われる。
衛星に搭載するアンテナの設置,展開方法及びスピンのあるべき姿を示す見本になる衛星ではないか!。(もう少し検証する必要が有るが)
なお,AO-85は約480✖800kmの楕円軌道なので,800kmの時はややQSOしにくくなるのと,ビーコンモードが多いのでQSOしにくい。しかし比較的混信が少なく垂直偏波アンテナでもQSBが少なく安定してQSOできる衛星である。
☆データ 11.
(下の図の上側) 天頂で反転 AO-85(145MHz,FM) 201808201200MEl78Az70 CH1(赤):10eleV CH2(緑):6eleX 南下
(下の図の下側) 天頂で非反転 AO-85(145MHz,FM) 201808151316MEl72Az35 CH1(赤):10eleV CH2(緑):6eleX 南下
AOS(西北) ➡ MEL79°(北東) ➡ LOS(南東)
グラフ説明:
CALSAT32では「ノーマルモード」「フリップモード」共に天頂付近でアンテナは約180°反転する。
↓ 反転モード ↓
↓ 非反転モード ↓
考察:
(上の図の上側) 10eleV(垂直偏波アンテナ,CH1)で受信した場合で天頂で反転しているために大きく落ち込んでいる。
6eleX(円偏波アンテナ,CH2)で受信した場合も天頂で反転しているが,円偏波受信のために落ち込はない。
(上の図の下側) 10eleV(垂直偏波アンテナ,CH1)で受信した場合で天頂で非反転にしたので落ち込みはない。
6eleX(円偏波アンテナ,CH2)で受信した場合も天頂で非反転にしているが,円偏波受信のために落ち込みはない。
☆データ 10.
EO-88(145MHz,BPSK,USBモード受信) 2018/07/09/0959,MEL64°,Az304°
南下オービット
グラフ目盛
縦:DC電圧0~3.0V(1目盛り0.5V=8.4dBμ)
横:時間09h59m~10h11m ↓CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ, ↓CH2(緑):6eleX右旋円偏波アンテナ
AOS(北) ➡ MEL79°(西) ➡ LOS(南)
グラフ説明:
CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナは,AOS~MEL~LOSまで1~2分間隔で30dB程度の深いQSBを伴っている。
CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナは,AOS~MEL~LOSまで小さなQSBは有るが,ほぼ安定している。
考察:
アンテナを常に正面から見た状態でスピンしている模様。従って円偏波アンテナでは大きなQSBが無い。地上局の円偏波アンテナは有効である。
☆データ 9.
CAS-4A(145MHz,CW,USBモード受信) 2018/07/18/1622,MEL68°,Az31°
西東オービット
グラフ目盛
縦:DC電圧0~3.0V(1目盛り0.5V=8.4dBμ)
横:時間06h22m~06h35m ↓CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ, ↓CH2(緑):6eleX右旋円偏波アンテナ,
AOS(西) ➡ MEL68°(北東) ➡ LOS(東)
グラフ説明:
CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナは,AOS~MEL~LOSまで約4分間隔で15dB程度のQSBを伴っている。
CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナは,AOS~MEL~LOSまで小さなQSBは有るが,ほぼ安定している。
考察:
アンテナを常に正面から見た状態でプロペラのようにスピンしている模様で安定している。従って円偏波アンテナでは大きなQSBが無い。
地上局の円偏波アンテナは有効である。
☆データ 8.
AO-73(145MHz,BPSK,USBモード受信) 2018/07/20/1840,MEL79°,Az176°
北上オービット
グラフ目盛
縦:DC電圧0~3.0V(1目盛り0.5V=8.4dBμ)
横:時間18h40m~18h53m ↓CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ, ↓CH2(緑):6eleX右旋円偏波アンテナ,
AOS(南) ➡ MEL79°(南) ➡ LOS(北)
グラフ説明:
CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナは,AOS~MEL~LOSまで35~50秒間隔で30dB程度の深いQSBを伴っている。
MEL付近とMELから約2後に大きく乱れがある。
CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナは,AOS~MELまでは,10dB程度の浅いQSBは有るが安定している。
MELを過ぎてから~LOSは10ele垂直偏波アンテナと同期して,約35秒間隔に大きなQSBを伴っている。
考察:
AOS~MEL間はアンテナを正面から見た状態に回転(衛星がスピン)している模様。MEL~LOS間はアンテナを横から見た状態に回転(衛星がスピン)している模様。MELから約2分付近で回転(衛星のスピン)方向が変わっているように見えるのは何故か?!不明。
地上局の円偏波アンテナは有効である。
☆データ 7.
Falconsat-3(435MHz,FM,FMモード受信) 2018/07/15/1647,MEL70°,Az175°
西東オービット
グラフ目盛
縦:DC電圧0~3.0V(1目盛り0.5V=8.4dBμ)、
横:時間16h47m~16h59m ↓CH1(赤):8ele垂直偏波アンテナ, ↓CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ
AOS(西) ➡ MEL79°(南) ➡ LOS(東)
グラフ説明:
CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナは,AOS~MEL~LOSまで10~40秒間隔ぐらいで10~20dB程度のやや深いQSBが不規則に発生している。
CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナは,AOS~MEL~LOSまで10~40秒間隔ぐらいで10dB程度の浅いQSBが発生している。
考察:
この衛星の435MHzのアンテナは左側上面に垂直に有る 7"ホイップと思われる。
この衛星はアンテナ長さから推測すると0.5m×0.5m×0.5m(本体部)と435MHzの波長に対して大きくホイップアンテナのグランドが十分に機能して,衛星本体から電波の放射が有ると考えられる。またアンテナ周辺には大きな障害物が搭載されていて,ホイップ本来の放射パターンは大きく阻害されていると思われる。従って定まった放射パターンにならずに,衛星のスピンによって不規則な放射になっていると考えられる。
アンテナの設置例としては良いとは言えない。地上局のアンテナは,円偏波が多少有利か!。
☆データ 6.
XW-2シリーズについては,下記の条件があります。
●XW-2A
400Lx400Wx400H mm、20kg、 姿勢制御:3軸制御して+Y面を地球に向けている
● XW-2B, XW-2C, XW-2D
250Lx250Wx250H mm、9kg、 姿勢制御:3軸制御して+Y面を地球に向けている
● XW-2E, XW-2F
110Lx110Wx110H mm、1.5kg、 姿勢制御:永久磁石トルカーを使ったスピン制御
JAで使えるのは周波数の関係で,XW-2D,XW-2Fのみ,XW-2Eは故障中
AMSAT-UK https://amsat-uk.org/satellites/communications/camsat-xw-2/ より。
XW-2B(145MHz,CW,USBモード受信) 2018/07/12/1638,MEL46°,Az80°
北上オービット
グラフ目盛
縦:DC電圧0~3.0V(1目盛り0.5V=8.4dBμ)、
横:時間16h38m~16h50 ↓CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ, ↓CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ
AOS(南) ➡ MEL79°(東) ➡ LOS(北)
↓XW-2D MEL67° ↓CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ, ↓CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ
AOS(南) ➡ MEL67°(東) ➡ LOS(北)
↓XW-2D
AOS(北) ➡ MEL67°(西) ➡ LOS(南)
反転↑ ↓⇑↑上図は天頂の方位反転(180°)で落ち込んでいる。
↓XW-2D 非反転↓ ↓⇓↓下図は仰角のみ可変した。方位反転なしで落ち込みなし。
AOS(北) ➡ MEL77°(北西) ➡ LOS(南)
グラフ説明:
CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナは,AOS~MEL~LOSまで3~4分間隔で深いQSBを伴っている。
CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナは,AOS~MEL~LOSまではあまりQSBは無く,ほぼ安定している。
グラフの切れ目は,ビーコンが一時停止(5秒程度)したもの。
考察:
アンテナを常に正面から見た状態でプロペラのようにスピンしている模様で安定している。(「プロペラ方式」と言うことにする)
従って円偏波アンテナでは大きなQSBが無い。XW-2A,C,Dもほぼ同じパターンになっている。 地上局の円偏波アンテナは有効である。
下図のXW-2A,XW-2Cも同じ傾向になっている。
↓ XW-2A ↓ ↓ XW-2C ↓
↓ XW-2D 2018/07/11,0548,MEL71°,Az302° CH1:10eV, CH2:6eX,南下
☆データ 5.
XW-2F(145MHz,CW,USBモード受信) 2018/07/09/1649,MEL56°,Az62°
北上オービット
110×110×110mm 1.5kg
グラフ目盛
縦:DC電圧0~3.0V
横:時間16h49m~17h01m ↓CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ, ↓CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ
AOS(南) ➡ MEL56°(東南) ➡ LOS(北)
グラフ説明:
CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ、CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ共に早い周期(5~20秒)で方向性が定まらない状態でスピンしている模様。
考察:
この衛星は地上局の円偏波アンテナの有効性は,ほとんど認められない。直線偏波アンテナが有利でもない。
☆データ 4.
LO-19(435MHz,連続無変調キャリア,USBモード受信) 2018/07/06/1219,MEL64°,Az68°
北上オービット
グラフ目盛
縦:DC電圧0~2.0V、
横:時間12h18m~12h33m ↓CH1(赤):8ele垂直偏波アンテナ, ↓CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ
AOS(南) ➡ MEL64°(南東) ➡ LOS(北)
↓ LO-19(435MHz,連続無変調キャリア,USBモード受信) 2018/07/24/1241,MEL76°,Az290°
↓ CH1(緑):6ele右旋円偏波アンテナ, ↓CH2(赤):6ele左旋円偏波アンテナ
AOS(南) ➡ MEL76°(南東) ➡ LOS(北)
上グラフ説明:
CH1(赤):8ele垂直偏波アンテナは,AOS~MEL~LOSまで浅いQSBは有るが,ほぼ安定している。
CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナは,AOS~MELまでは電波が深いQSBを共にって弱くなっている。MEL~LOSまでは浅いQSBは有るが,ほぼ安定している。
中グラフ説明
CH1(緑):6ele右旋円偏波アンテナは,AOS~MELまでは電波が深いQSBを共にって弱くなっている。MEL~LOSまでは浅いQSBは有るが,ほぼ安定している
CH2(赤):6ele左旋円偏波アンテナは,AOS~MELまでは電波は浅いQSBを共にって強くなっている。MEL~LOSまではQSBが有り弱くなっている。
下グラフ説明
上グラフと中グラフを合成したもの。
考察:
この衛星の435MHzのアンテナは4本のモノポールから構成されていて,それぞれに位相給電して左旋円偏波にして放射していると考えられる。
従って,AOS~MELは6ele右旋円偏波アンテナで受信すると回転方向が逆になり大きく減衰して受信していると考えられる。
一方,下グラフでは,AOS~MELは6ele左旋円偏波アンテナで受信したグラフ(紫線)すると回転方向が衛星と一致して強く安定して受信している。
MEL~LOS間は,楕円偏波となり,左旋円偏波,右旋円偏波,垂直偏波共に少し低下して受信していると考えられる。
衛星が円偏波の場合は天頂で回転方向を変えるか,または直線偏波アンテナで受信するか選択する必要が有る。
衛星が直線偏波アンテナの場合は地上局アンテナを円偏波アンテナにする事と逆になる。
AOSから左旋円偏波できたがMEL付近で側面から見た楕円偏波(垂直楕円)になったように見える。
☆データ 3.
FO-29(435MHz,CW,USBモード受信) 2018/07/06/0547,MEL86°,Az293°
北上オービット
グラフ目盛(サンプリング間隔0.2秒)
縦:DC電圧0~1.5V、
横:時間05h47m~06h02m
↓赤線:8ele垂直偏波アンテナ ↓緑線:6ele右旋円偏波アンテナ
AOS(南) ➡ MEL86°(北西) ➡ LOS(北)
FO-29のその他オービットデータ↓
↓FO-29 2018/07/23,1851,MEL60°(サンプリング間隔0.2秒) ↑ 雷 ↑
↓赤線:6ele右旋円偏波アンテナ ↓緑線:6ele左旋円偏波アンテナ
グラフ説明: ↑ 雷 ↑
上グラフ:CH1(赤):8ele垂直偏波アンテナ,CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ共に,不規則な受信になっている。
下グラフ:CH1(赤):6ele右旋円偏波アンテナ,CH2(緑):6ele左旋円偏波アンテナの場合は衛星と一致した偏波が強くなっている。
考察:
この衛星の外観は左図(JARLホームページより http://www.jarl.org/Japanese/3_Fuji/spec/spec.htm)の通りで,435MHzのアンテナは上面に4本の曲がったモノポールから構成されていて,それぞれに位相給電して円偏波にして放射していると考えられる。
また,その姿勢も変化している模様で,何日か後のほぼ同じ時刻,同じコースを通るオービットでも全く違ったグラフになっている。円偏波の回転方向が一致すれば強く受信できるが,スピンが定まっていない様に感じる。
AOS(南) ➡ MEL58°(西) ➡ LOS(北)
↓FO-29 2018/07/30,1741,MEl:48°,Az104°, CH1:6eXR, CH2:6eXL,南下
AOS(北) ➡ MEL48°(東) ➡ LOS(南)
FO-29のもう一つの考察
上図は,FO-29 2018/07/23:0557,MEl58°,Az270°, CH1 6eXR, CH2 6eXL,北上オービットのグラフである。MElを過ぎたあたりで右旋円偏波から左旋円偏波に変わっている。これは天頂では伏角49°であるが衛星本体はもう少し少なく,それを過ぎてから後ろ側が見えて左旋円偏波となる角度になっていると考えられる。そしてさらに進むと急激に下向きになって06:09''00当たりでアンテナは側面回転で急激なQSBになっていると思われる。
↓FO-29 2018/07/27,0547,MEl70°,Az247°, CH1:6eXR, CH2:6eXR,北上オービット(サンプリング0.5秒)
↓赤線:6ele右旋円偏波アンテナ ↓緑線:6ele左旋円偏波アンテナ
AOS(南) ➡ MEL70°(西) ➡ LOS(北)
☆データ 2. (AO-92,AO-91)
AO-92(145MHz,FM,FMモード受信) 2018/07/06/2040,MEL51°,Az75°
北上オービット
グラフ目盛
縦:DC電圧0~3.0V(1目盛り0.5V=8.4dBμ)、
横:時間20h40m~20h52m ↓CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ, ↓CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ
AOS(南) ➡ MEL51°(北東) ➡ LOS(北)
↓AO-92 2018/07/12/0937 ↓CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ, ↓CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ
AOS(北) ➡ MEL77°(南東) ➡ LOS(南)
↓ AO-92 2018/07/25,0952, ↓CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ, ↓CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ
AOS(北) ➡ MEL64°(南東) ➡ LOS(南)
AO-91 ↓ ↓AO-91 2018/07/25,1200, ↓CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ, ↓CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ
AOS(南) ➡ MEL81°(東南) ➡ LOS(北)
グラフ説明:AO-92
CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ、CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ共に北上,南下オービットも同じように一部(MELからやや北)が平坦になっている。
垂直偏波アンテナは早い周期(12秒程度)で20dB以上のQSBがある。
円偏波アンテナは10~15dB程度のQSBがある。(10dBは許容範囲)
考察:
この衛星の外観は左図(2018JAMSATシンポジウムより)の通りで,435MHzと145MHzのアンテナが同一面状に有る。
グラフからは,衛星本体とアンテナの関係が推測できない。
地上局の円偏波アンテナは多少有効か。アンテナに対する最適なスピン方向を検討する必要があるのではないか。
↑AOS(南) ➡ MEL82°(西北) ➡ LOS(北)↑
AO-85↓ ↓CH1(赤):10ele八木アンテナ(垂直偏波) CH2(緑):6eleクロス八木アンテナ(右旋円偏波)↓
↑AOS(北西) ➡ MEL72°(北東) 非反転モード ➡ LOS(南)↑
↑↑天頂でダウン方向違いで凹。反転による落込み無し。
グラフ説明:CH1(赤):10ele垂直偏波アンテナ、CH2(緑):6ele右旋円偏波アンテナ共に南から北へ北上オービット。
AOS後約1分でトラポンON,2分10秒でOFF,4分20秒で音声ビーコン,5分50秒(El60°)でON,11分でOFF,12分30秒で音声ビーコン。
MEl82°を過ぎたところで10ele垂直偏波アンテナが方位10°-90°-170°と回転し(反転し),衛星アンテナと90°違いになって約25dB落ち込んで
いる。(赤線)
もしこの回転(反転)が無ければ,この赤線の落ち込みは無い。(他の衛星で確認済み)(2018/8/15 AO-85で確認した↑)
なお,4分20秒の音声ビーコンと5分50秒(El60°)のONの間で,10ele垂直偏波アンテナ(赤線)の落ち込み(QSB)が有った可能性がある。
青点線はトラポンONの場合の仮想線。
考察:
衛星はアンテナを南北に直線的にして,アンテナ軸周りの方向にスピンしながら1⇒2⇒3⇒4⇒5のように移動したと仮定した。
(「やり投げ方式」と言うことにする)
衛星のアンテナは地磁気の伏角によって北に行くにしたがって下向きになるが,衛星の慣性によって伏角より浅く傾くと考えた。(東京上空の天頂
で伏角は49°で有るが衛星は30°程度下向く程度か?、FO-29で別途考察した)
衛星を「やり投げ方式」にして,地上局のアンテナを垂直偏波面で移動できれば,垂直偏波アンテナ(円偏波アンテナでは当然)で100%安定した受信
ができるかもしれない。
☆データ 1.
Falconsat-3(435MHz FSK FMモード受信) 2018/07/24,1131,MEL80°,Az172°
西東オービット
グラフ目盛
縦:DC電圧0~3.0V(1目盛り0.5V=8.4dBμ)、
横:時間11h31m~11h42m30s ↓赤線:6ele右旋円偏波アンテナ ↓緑線:6ele左旋円偏波アンテナ
AOS~MELは木の陰
AOS(西) ➡ MEL80°(南) ➡ LOS(東)
↓赤線:8ele垂直偏波アンテナ ↓緑線:6ele左旋円偏波アンテナ AOS~MELは木の陰
グラフ説明:
CH1(赤):6ele右旋円偏波アンテナ、CH2(緑):6ele左旋円偏波アンテナ共に同じようで,MEL前に前後差がある。AOS~MELは木の陰で減衰してる。
CH1(赤):8ele垂直偏波アンテナ、CH2(緑):6ele左旋円偏波アンテナは8ele垂直偏波アンテナのQSBが20~30dB大きい。
考察:
この衛星は円偏波アンテナであれば比較的安定して受信できる。地上局の円偏波アンテナは有効。
・CALSAT32によるアンテナコントロールとローテータの性能について! 具体的には28.による
1. 天頂付近のコントロール遅れ
CALSAT32でアンテナをコントロールしていると,天頂付近でコントロール遅れが発生する。それは天頂付近で方位が約180°回転(反転)する状態になるからである。これはノーマルモード(N基準)、フリップモード(S基準,アンテナは裏返しになる)でも同じである。
↑AO-92が天頂付近(MEl86°)を北上したCALSAT32の軌跡である。
↑天頂付近を拡大したもので, ↑白い線が中心からW(左)へ出ているのはアンテナ制御の扇型をした表示で,本来は赤丸の衛星の方向になるべき白線である。この位置では64°遅れていることになる。 ↑アンテナコントロールパネルは,制御誤差許容値2に設定し,自動制御の速度調整は✖10に設定している。
JA1CPA