d35.   市販の430MHz八木アンテナ2本をクロスアンテナ(円偏波)にした                                                          2020/4/5

 

市販の八木アンテナを2本使って円偏波にする方法は,①2本をスタックにして45°ハの字にして1/4λ位相給電する方法と,②1本のブームにエレメントをXに付けて前後を1/4λにする方法がある。ここでは②に近い方法(前後ずらしと同軸ケーブル位相の組み合わせ)で作った。

144MHzに続いて、使用したアンテナはダイヤモンのA430S15R2(430MHz 15エレメント)を2本使った。

注意:(A430S15RとA430S15R2は同じではない)   144MHz10エレメントのA144S10R2よりは工作の難易度は高い。

 

左側が今回作った430MHz15エレメントクロスアンテナ、右側が前回作った144MHz10エレメントクロスアンテナ。

マッチングケーブルの処理がややめんどう。

(クリック拡大)

2本を重ねてエレメントが重複しないように1/4λ(172mm)にしたかったが、最大で90mmだったので、後の82mmの分は片側の同軸ケーブルを長くして位相を遅れるようにした。

5D-FB短縮率0.7657:82×0.7657=63mm長くした。(短縮率はメーカーやロットによって変わるので都度測定する)

さらに50Ωが2本並列になるので75Ω同軸ケーブルで1/4λQマッチを作った。

このラジエーター付近は非常に混み合っているのでクロスしたときに,どのように影響するか,やってみるしかない!

ブームの先端部を100mm長くするためにもう一本のマストを切って継ぎ足した。

ブームは90°方向にエレメント取付穴を開けた。(赤文字部分を加工)

ブームは中央付近のつなぎ目に45°方向にアンテナ取付穴を開けた。

エレメントの間隔は全て現品と同じで、2本のアンテナの前後差は全て90mm。

 

マッチングケーブル(1/4λQマッチ+63mm遅延)は左図下のように作成した。

実際には1/4λでは短くて寸法誤差が大きくなる恐れがあるので1/4λ×3倍の長さにした。

各同軸ケーブルの短縮率は使用周波数付近で測定して使用する。 

(図に追加入れ替え2020/4/6)

 

マッチングケーブル(1/4λQマッチ+63mm遅延)は各接続点の接続が終わったら50Ω終端でSWRを測定すること※1 接続点が多くなるとSWR最低点の周波数が低くなる傾向がある。

SWR最低点が430MHzより低い時は2~3mm短くして435±5MHzにする。※2020/4/23

また接続点はアルミ棒等を沿わして接続点から折れないように補強してテーピングする。

左図はアンテナを仮設してアンテナのSWRを測定する状態。SWR1.5以下となった。

長い方は青テープ(後方)、短い方は黄色テープ(前方)。

なお、同軸ケーブル同士の接続は144MHz10エレメントを参照のこと。

マッチングケーブルはリフレクターの後方になるように半固定する。※2020/4/23

↓①ブームの中央付近の繋ぎは、φ25×150mm(内径22mm)のアルミパイプを差し込んでタッピングねじで固定した。45°に取付穴を明ける。

φ20×150mm(内径17mm)をブームに差し込もうとしたが入らなかった。φ25×150mm(内径22mm)は内側に油を付けたらブームが入った。

   ↓②先端部は100mm延長する必要が有るので、もう一本のブームを切断し金ノコで数カ所割を入れて差し込みタッピングねじで固定した。

     ブームの外径はφ22mm(内径20mm)                                 ↓③先端のエレメントを付けた様子。

          ↓①↓                         ↓②↓                   ↓③↓  

↓①ラジエーター周辺はエレメント取付樹脂がぶつかるので適宜ニッパーで削る。

                      ↓②矢印部分のエレメント取付樹脂をニッパーで削る。

                                               ↓③ブーム、エレメント等の取付完了。

       ↓①↓                       ↓②↓                     ↓③↓

↓全てのエレメントを取り付けた状態。各Xアンテナ単独のSWRを測定して435.0MHzで1.5以下を確認した。

左図:送信は受信アンテナから11m離れた所に地上高1.5mにダイポールを435.010MHz-35dBmを入力して回転させた。

受信は,ここで作った430MHz15エレメントクロスを地上高3mに設置して受信し,ピーク値36.8dBμを得た。しかし測定結果は円になっていない。

右図:送信アンテナを建屋の2階窓から3エレメント八木に435.010MHz-35dBmを入力して回転させた。

ほぼ真円に近い結果となった。

アンテナの利得としては、14.04dBiとなった。(カタログ値14.8dBi)

 

                                                                                       

                                                   ※:左と右図の違いは,近距離では435MHzでの大地反射の変動が激しく正確ではない。

 

※1                     2020/5/1追加  

左写真はN-Pに450mmの5D-FBを付けて先端にカーボン抵抗器1/6w51Ωを付けて測定したもの。

 

実際にはM-Rにカーボン抵抗器1/6w51Ωを最短距離で半田付けしたものを2個作って測定する。

M-P(M-R)なのでSWRは1.5ぐらいなら良しとする。

 

測定中(送信側、435.01MHz -20dBm(AA-1400を使用)  1/2λダイポール回転中(6°/sec))

従来から使っていた435MHz7エレメント摂動励振クロスアンテナ2列2段の軸比と利得を測定した。

(上記左図と同じ状態で測定したが上下の顕著なくぼみは無かった)

利得は19.04dBi

(シミュレーション値:自由空間18.12dBi、地上高3mH太地反射含む:22.64dBi)**