d.44 簡単なアンテナで衛星通信をやってみよう! 工事中 2025/04/26
(目次)
1. 436.5MHz モクソン・ターンスタイルアンテナのシミュレーション (1-1,1-2)
2. 436.5MHz モクソン タイプアンテナ(リフレクタータイプ)のシミュレーションと製作
3. 436.5MHz モクソン タイプアンテナ(ディレクタータイプ)のシミュレーション
4. 436.5MHz 摂動励振クロス円偏波 ダイポールアンテナ(CPA XDP)のシミュレーションと製作
5. 436.5MHz 摂動励振クロス円偏波 2エレメント(リフレクター)アンテナ(CPA X2eleRe)シミュレーション
6. 436.5MHz 摂動励振クロス円偏波 2エレメント(ディレクター)アンテナ(CPA X2eleDe)シミュレーション
7. 435MHz C J U アンテナ(ループ+リフレクター)の考察(旧ホームページ)
8. 2エレメントアンテナの考察 (8-2. 水平にしたら!びっくり!)
9. 摂動励振クロス円偏波アンテナとは?
10. 低利得の円偏波アンテナの考察 工事中 2025/5/1
11. 145.9/436.5MHz 2バンドモクソン タイプアンテナ(リフレクタータイプ)のシミュレーション 工事中 2025/5/11
↓本文
1. 436.5MHz モクソン・ターンスタイルアンテナのシミュレーション(図類は左クリックで拡大)
原典はJI1IZR/眞田さんから頂いたものです。
https://www.antenna2.net/cebik/content/vhf/ms2.html
Simplifying the Turnstile Moxon Rectangle Fixed-Position Satellite Antennas
これをMMANAに入れてシミュレーションしました。右上の図のように軸比2dBの円偏波アンテナになっています。
マッチングはオーソドックスな1/4λ位相ケーブルと75Ω1/4λ//2または75Ω//50Ω1/4λによるものらしいです。
ゲイン(Ga)は自由空間:6.24dBi、地上高5.5m:6.80dBiとなっていて大地反射による増加は少ないようです。
1.-1 436.5MHz モクソン・ターンスタイルアンテナを同相給電してみました
2本のアンテナを並列に接続したので、このままではマッチング回路が必要です。
パターン特性は45°傾いた8字特性です。
ゲイン(Ga)は自由空間:6.38dBi、地上高5.5m:7.19dBiとなっていて大地反射による増加は大きいようです。
1-2. 436.5MHz モクソン・ターンスタイルアンテナのリフレクターをディレクターにして同相給電してみました
大地反射を大きくするためにリフレクターでは無くてディレクターにしてみました。
シミュレーションではアンテナを上下に180°ひっくり返してディレクターになったエレメントを短くしました。
2本のアンテナを並列に接続したので、このままではマッチング回路が必要です。
ゲイン(Ga)は自由空間:5.55dBi、地上高5.5m:7.66dBiとなっていて大地反射による増加はさらに大きいようです。
パターンは水平面がやや狭くなった。
まとめ
436.5MHz モクソン・ターンスタイルアンテナ(リフレクタータイプ)90°位相給電,円偏波 :自由空間ゲイン 6.24dBi、地上高5.5m 6.80dBi
436.5MHz モクソン・ターンスタイルアンテナ(リフレクタータイプ) 同相給電,直線偏波:自由空間ゲイン 6.38dBi、地上高5.5m 7.19dBi
436.5MHz モクソン・ターンスタイルアンテナ(ディレクタータイプ) 同相給電,直線偏波:自由空間ゲイン 5.55dBi、地上高5.5m 7.66dBi
考察:1. 円偏波アンテナで直接偏波を受信すると変換ロスが3dBあるので低ゲインアンテナでは非常に不利になる。
ただし偏波面の変化には円偏波アンテナが有利に働く。
2. リフレクタータイプは大地反射を受けにくく不利に働く。(垂直±30°は不利)
3. ディレクタータイプはディレクター利得と大地反射が相乗してゲインとしては最高になる。(垂直±30°以上では不利)
4. アンテナ単体ではディレクタータイプよりはリフレクタータイプの方が高ゲインとなる。
2. 436.5MHz モクソンタイプアンテナ(リフレクタータイプ)のシミュレーションと製作
MMANA-GALによるシミュレーション、SWR1.4、地上高4.0mh、GA6.93dBi
自由空間ではGa6.40dBiと大きいが大地反射の影響が小さい。(0.53dBしか増加しない)後述 8-2項 参照のこと。
製 作 ↓
図A 図B 図C 図D
図A:接続ケーブルは1/2λ整数倍にする。(メーカー製のアンテナの場合は任意長で良いが、自作アンテナでインピーダンスが不明の場合は必要)
図B:完成品(リフレクターの寸法を4mm間違えて短く作ったので両端に半田付けで継ぎ足した)
図C:SWR特性(同軸ケーブルの接続部分のYが長くなったので、ラジェーターの両端を1mm程度切ってSWR最低点を少し高くした。)
図D:436.5MHzの特性数値(あとは電測をしてF/B比を測定したい)後述 8-2項 参照のこと。
注)エレメント両端の端面(インピーダンスが激高!)を絶縁物で上下接続して機構的に安定させたいが、プラスチック類は(アクリル、ポリカーボネイトなど)誘電率が高いのでこれを使うと特性が大きく変化します。
3. 436.5MHz モクソンタイプアンテナ(ディレクタータイプ)のシミュレーション
MMANA-GALによるシミュレーション、SWR2.7、地上高4.0mh、Ga8.13dBi(SWRについては別途Qマッチで低くできる)
自由空間ではGa5.47dBiと大きく無いが大地反射が大きくリフレクタータイプより1.2dBアップしました。
リフレクタータイプは大地反射が少なくなるがディレクタータイプは大地反射が大きい。これは上向きの場合に限ります。
ただし実際の屋外運用でディレクタータイプが有利になるかは検証が必要。
まとめ
436.5MHz モクソンタイプアンテナ(リフレクタータイプ)SWR1.4、地上高4.0mh、Ga6.93dBi
436.5MHz モクソンタイプアンテナ(ディレクタータイプ)SWR2.7、地上高4.0mh、Ga8.13dBi
4. 436.5MHz 摂動励振クロス円偏波 ダイポールアンテナ(円偏波,CPA XDP)の製作
図1 図2 図3
図1:MMANAによるシミュレーション
図2:MMANAによる外観図
図3:アンテナ寸法図、組立図(50Ω同軸ケーブルをエレメントを曲げた部分に直接半田付けします)
エレメントの中心部分は、長いエレメント(図で水平)は一直線上にあります。
短いエレメント(図では垂直)は中心部分でそれぞれ3mm外側になっています。
図4 図5 図6
図4:MMANAによるシミュレーション、SWR1.30、地上高4.5mh、Ga7.63dBi(黒が水平偏波、赤線が垂直偏波)(天頂付近のゲイン減)
図5:MMANAによるシミュレーション、SWR1.30、地上高6.0mh、Ga8.13dBi(黒が水平偏波、赤線が垂直偏波)
図6:MMANAによるシミュレーション、SWR1.30、地上高6.0mh、Ga8.13dBi(水平/垂直偏波合成)
Gaはダイポールなので 2.14dBiですが大地反射が加わって 7.63dBi となっています。(この大地反射は大地の状況及び地上高によって0~6dBまで変化します)
図7 図8 図9
図7:MMANA-GALによるシミュレーション
図8:MMANA-GALによるシミュレーション、SWR1.3、地上高5.5mh、GA5.85dBi(紫が水平偏波、赤線が垂直偏波)
図9:MMANA-GALによるシミュレーション、3D図
Gaはダイポールなので 2.14dBiですが大地反射が加わって 5.85dBi となっています。(この大地反射は大地の状況及び地上高によって0~6dBまで変化します)
Gaは MMANA と MMANA-GALで違いが有りますが 大地反射の設定及び地上高の違いです。
製 作 ↓
図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16
図10:φ2mm銅棒、175+152=327mmに切って約90°に折り曲げる。2本。エレメントの長い方に印(テープ等)を付けておく。
図11:プラ角パイプが有ったので、横を中心に縦を中心から3mmずらして5mm深さ幅1.8mm程度の溝を切っておく。エレメントを入れてみた。
図12:RG-58/U(φ5)程度の同軸ケーブルをエレメントの曲げた部分に半田付けする。ショート厳禁。剝きシロは極力短くする。
図13:半田付けが終わったら外側の角パイプの内側に一回り小さい角パイプを仮に入れてSWRを測定する。仮測定後に接着剤で固定する。
図14:仮SWR測定中。(2階の階段上で!) ↑◎パイプでもできると思います。
図15:仮SWR測定グラフ、ダイポールなのでSWRの低い帯域は広い。ほぼ1.2前後。 全て直線なので作るのは簡単です!
図16:仮R,Xグラフ
完成品 ↓
水平面のパターンを測定しました。↓ 2026/05/17
5. 436.5MHz 摂動励振クロス円偏波 2エレメント(リフレクター)アンテナ(円偏波,CPA X2eleRe)シミュレーション
図17 図18 図19 図20
図17:MMANA-GALによるシミュレーション
図18:寸法図
図19:MMANA-GALによるシミュレーション、SWR1.7、地上高5.5mh、Ga6.91dBi(紫が水平偏波、赤線が垂直偏波)
図20:MMANA-GALによるシミュレーション、3D図 ↑XDPより1.06dBアップ、大地反射はリフレクターで減少するはず。
2エレメントにするメリットあるでしょうか?
XDPでもCWでしたら十分にQSOできると思います。当局はSSBでもQSOしていますが相手局のアンテナにもよります。
このアンテナでもRS-44のビーコンが室内窓際で受信できました。2025/5/7
なお、ハンディ機によるQSO等は、別途ここに掲載しています。2025/5/7
6. 436.5MHz 摂動励振クロス円偏波 2エレメント(ディレクター)アンテナ(円偏波,CPA X2eleDe)シミュレーション
図21 図22 図23 図24
図21:MMANA-GALによるシミュレーション
図22:寸法図
図23:MMANA-GALによるシミュレーション、SWR 2.2、地上高5.5mh、Ga 7.92dBi(紫が水平偏波、赤線が垂直偏波)
図24:MMANA-GALによるシミュレーション、3D図 ↑リフレクタ-よりさらに1.01dBアップ(XDPより2.07dBアップ)
XDPより2dBアップしますので、2エレメントにするならディレクターにした方が良さそうです。(大地反射+ディレクター)
3D図を見ると水平方向のゲインが減少しています。
SWR2.2はもう少しエレメント長を検討すれば1.5ぐらいにはできそうですが、このままでも使えると思います。
まとめ
MMANA-GALによるシミュレーション、436.5MHz 摂動励振クロス ダイポールアンテナ(円偏波)製作した SWR1.3、地上高5.5mh Ga 5.85dBi
MMANA-GALによるシミュレーション、436.5MHz 摂動励振クロス 2エレメント(リフレクター)(円偏波) SWR1.7、地上高5.5mh Ga 6.91dBi
MMANA-GALによるシミュレーション、436.5MHz 摂動励振クロス 2エレメント(ディレクター)(円偏波) SWR2.2、地上高5.5mh Ga 7.92dB
7. 435MHz C J U アンテナ(ループ+リフレクター)の考察(外部リンク、旧ホームページへ)
8. 2エレメントアンテナの考察
一般に2エレメントのアンテナの場合は、ディレクターよりもリフレクターの方がゲインが多くなります。
さらにアンテナの後ろからの混信なども少なくなるのでリフレクターを付けることになります。
しかし、衛星通信用では上向きに使うので大地反射を有効に使いたくなります。
そこでリフレクターでは大地反射は妨げられてしまいます。従ってディレクターの方が有効になります。
今回のシミュレーションでもディレクターが有利になっています。
ただし、実際にどの程度の違いがあるか不明です。同時受信して比較する必要がありそうです。場所により大地反射も違うでしょう。
8-1. MMANAの限 界?
左表はMMANAで436.5MHz モクソンタイプアンテナ(リフレクタータイプ)のゲインを計算したものです。
地上高を変えると大地反射によってゲインも変わりますが、地上高1000万kmでも大地反射が計算されて増加しているようです。伝搬損失を計算していないのかな?
⇐(クリック拡大)
8-2. 水平にしたら びっくり! F/B比最高のアンテナでした ! ! !
436.5MHz モクソンタイプアンテナ(リフレクタータイプ)の設置角度を変えてみたら??
素晴らしい2エレメントになっていました。(ゲインも高いですが、F/B比が最高!)
垂直設置 仰角45°設置 90°(水平)設置 水平設置図 寸法図(φ2mm) MMANA-GAL MMANA-GAL 3D
水平設置では地上高5.5m、Ga 12.15dBi、F/B比 17.38dB(ホントかな~、いずれ測定したいと思います!) ↑F/B比 15.43dB
仰角45°設置はゲイン最大方向は、45°方向では無くてほぼ水平方向(1.8°)が最大で、F/B比は 8.41dBと悪い。
一般的にゲインの少ないアンテナほど仰角と指向性は一致しない。これは大地反射の影響を大きく受けるためと思われます。
9. 摂動励振クロス円偏波アンテナとは?
この円偏波アンテナは、50Ωの同軸ケーブルを直接つなげることができるアンテナでマッチングケーブルや位相ケーブルは不要です。
ラジエーターの水平と垂直エレメントをクロスさせ、それぞれの長さを長短に設定します。
ラジェーターの垂直エレメントを共振周波数より短くして容量性に、水平エレメントを共振周波数より長くして誘導性にします。
これにより90°の位相を作り出して円偏波を実現し、目標の周波数で共振させます。
さらに、水平と垂直エレメントの長さの差によってインピーダンスが高くなることが分かりました。
この性質を利用してクロスする部分のインピーダンスを高めて水平と垂直の2つのラジエーターを並列接続して50Ωにして同軸ケーブルを直接つなげるようにしたアンテナです。
この設計には、MMANAを使用してアンテナシミュレーションを行いました。
シミュレーションの要件は、 ①必要周波数でインピーダンスを約50Ω(SWR<1.2)にする。②必要周波数で共振(SWR<1.2)させる。③必要周波数で円偏波の軸比を1.5dB以下にする。④必要周波数でゲイン最適、F/B(20dB以上)も最適にする。
シミュレーションは、①~④を実現するように、もっぱら水平と垂直のラジェーターの「長さを変更して計算する」を繰り返し繰り返し行うもので一つの円偏波アンテナを設計するのに何百回と繰り返しました。(MMANAは単純な八木アンテナは自動計算機能がある)
このアンテナの日本の元祖は、約17~18年ぐらい前に(故)JA9BOH前川OMが145MHz及び435MHzのクロスダイポールを作って車からQRVしていた時に当局とFO-29でQSOしたのが始まりでした。その時の写真を基にダイポール、3エレメント、6エレメントと作り、最長では16エレメント(435MHz)まで作りました。
当局の現用品は、145MHz 8エレメント、435MHz 16エレメントです。(2025/4/27)
10. 低利得の円偏波アンテナの考察 工事中 2025/5/1
最近のアマチュア衛星は直線偏波が多く、円偏波はほとんどありません。
従って直線偏波を円偏波アンテナで受信すると3dBの変換損失が発生します。
だたし衛星からの直線偏波の電波は衛星のスピンによって偏波面が変化します。
その変化した偏波面に対応して受信する場合は円偏波アンテナを使用すれば変化の少ない受信が期待できます。 つづく
11. 145.9/436.5MHz 2バンドモクソン タイプアンテナ(リフレクタータイプ)のシミュレーション 工事中 2025/5/11
145.9MHzでエレメント幅を約600mmにコンパクトにして、436.5MHzでも使える2バンドモクソンタイプをシミュレーションしました。
SWRは少し高いですが144/430MHzデューレクサー(アイソレーション60dB以上)を介して一つのアンテナでQSOも可能でしょう。
寸法を↑一部修正した